「膜ろ過」とは、原水を膜ろ過装置に流すことで、特定の大きさ以上の不純物を取り除くというものです。
膜ろ過の原理は、側面に無数の超微細孔がある糸を束ねたものに圧力をかけた水を流すと、食中毒の原因となるO-157やクリプトスポリジウムなどが取り除かれる仕組みです。
一般的に使用される中空糸膜は、側面に無数の超微細孔があるストロー状の細い糸で、これを9,000本~25,000本束ねて筒の中に入れたものが「膜モジュール」です。この膜モジュールに圧力をかけた水を流すと、水の中に混入している粒子や細菌は小さな穴を通ることができず、除去される構造になっています。食中毒の原因となるO-157やクリプトスポリジウムなども取り除かれ、除菌された水だけが膜モジュールの中を通ります。一方、水に溶解しているミネラル分は除去されず通過します。
地下水のくみ上げ
深井戸からくみ上げた地下水(井戸水)を、原水槽に貯留します。
前処理
前処理(砂ろ過)として、くみ上げた地下水(井戸水)を通常の飲料水程度までろ過します。
膜ろ過
前処理された水をさらに各種ろ過膜で処理し、より安全な飲料水を生成します。食中毒の原因となるO-157やクリプトスポリジウムといった細菌や原虫類も、この膜ろ過により除去します。
処理水槽・
水質監視システム
システム内の処理水槽に貯留し、残留塩素濃度を連続的に測定記録します。(濃度異常の際は自動停止します。)
供給
お客様概設の受水槽に供給します。地下水と公共水道の二元給水ですので、災害時にも安心です。
システムに異常が生じた場合には、自動的に公共水道に切り替わります。
日本では近代水道の浄水システムの中心は、砂を使ったろ過システム(緩速ろ過法や急速ろ過法など)が主流でしたが、原水の水質悪化や処理水量の増加などの多様化する状況に対し、より高度な処理技術が求められるようになりました。そこで、砂ろ過に変わるシステムとして登場したのが膜ろ過システムです。
膜分離技術は、基本的に溶媒と溶質を分離する技術であり、膜を介しての分離を圧力差を駆動力として行う膜として、RO(逆浸透)膜、ナノろ過膜、UF(限外ろ過)、MF(精密ろ過)があります。精密ろ過膜と限外ろ過膜は、主に水の中の濁りを取り除きますが、ナノろ過膜と逆浸透膜は、水の中の濁りだけでなく、溶け込んでいる成分も取り除くことができます。穴の大きさが最も小さい逆浸透膜は、水に溶け込んでいる成分のほとんどを取り除くことができるため、海水から淡水をつくる装置などに利用されています。
水道法に定められた水質基準を安定的に満たすにはUF膜以上の膜を採用する必要があると考えますが、RO膜など穴の大きさが細かくなればなるほど電気代や下水道代がよりかかることや、回収率が下がり井戸やプラントの規模を大きくする必要が出てくるため、地下水循環の観点からも、どこのプラントでも採用すべきかは意見の分かれるところとなります。
当社では、どの膜を採用するのかを井戸原水の水質を調べ、処理水の安全性、処理効率、処理コスト、耐久性などを総合的に判断しています。
高度な膜ろ過処理によって、食中毒の原因となるO-157やクリプトスポリジウムなどの細菌類・原虫類などを除去します。さらに、24時間365日水質を監視している安全装置がついてるため、異常が発生してもシステムが自動停止して公共水道に切り替わります。
メンテナンス員が毎月お客様のプラントを巡回し、定期点検や薬品の補充、清掃などを実施し、報告書をご提出いたします。 法定水質検査、定期点検、薬品の補給、各機器の経年劣化による交換などを含むメンテナンス契約です。
システムに異常が発生した場合は、システムが停止し、自動的に公共水道に切り替わります。 システム停止後は、メンテナンス員が速やかに復旧、調整、修理に伺います。
地下水(井水)膜ろ過システムをご導入いただく場合の、給水開始までの流れをご説明します。
調査
井戸工事
もしこの掘削でご提案した条件を十分に満たせない場合は、掘削に係わる工事費は当社が負担
もしこの掘削でご提案した条件を十分に満たせない場合は、掘削に係わる工事費は当社が負担
プラント工事
地下水(井水)膜ろ過装置の設置
給水開始
病院
介護福祉施設
学校
商業施設
工房
宿泊施設
事務所ビル
スポーツ関連施設
交通関連施設
公共施設
その他施設
2020年1月現在
導入されたすべてのお客様にアンケートを実施した際の結果では、コスト削減をあげたお客様が多いですが、東日本大震災以降に導入されたお客様を中心に、BCP(事業継続)やCSR(社会貢献)も目的としてあげるお客様が増えています。
経費削減 | BCP | CSR | その他 | |
---|---|---|---|---|
病院 | 98% | 61% | 21% | 1% |
介護福祉施設 | 91% | 37% | 21% | 3% |
学校 | 83% | 33% | 22% | 0% |
商業施設 | 97% | 19% | 11% | 4% |
工場 | 100% | 33% | 9% | 0% |
宿泊施設 | 100% | 6% | 16% | 0% |
事務所ビル | 100% | 50% | 0% | 0% |
スポーツ関連施設 | 100% | 33% | 0% | 0% |
交通関連施設 | 100% | 33% | 0% | 0% |
公共施設 | 50% | 75% | 8% | 8% |
その他施設 | 100% | 50% | 0% | 0% |
(2017年お客様アンケート結果より)
同じアンケート結果で、地震等災害の記憶の高いエリアで、BCP(事業継続)も目的としているお客様の割合が高い傾向となっています。
経費削減 | BCP | CSR | その他 | |
---|---|---|---|---|
北海道エリア | 100% | 36% | 14% | 0% |
東北エリア | 94% | 29% | 13% | 0% |
関東・甲信越エリア | 95% | 44% | 17% | 2% |
中部エリア | 94% | 49% | 21% | 0% |
関西・中国・四国エリア | 95% | 25% | 11% | 4% |
九州エリア | 100% | 47% | 17% | 3% |
(2017年お客様アンケート結果より)
その他